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2025.05.19

ローパフォーマー社員とは?

企業の人事担当者や経営者にとって、従業員のパフォーマンス管理は重要な課題です。
特に、「ローパフォーマー社員」や「問題社員」と呼ばれる従業員への対応は、慎重さを要します。本記事では、これらの用語の定義、特徴、企業が取るべき対応、法的注意点、放置のリスク、関連判例について解説します。

1 ローパフォーマー社員とは?

ローパフォーマー社員とは、一般的に、企業が期待する成果や能力水準に達していない従業員を指します。
これは法律用語ではなく、企業によって定義や基準は異なります。重要なのは、客観的な指標(数値目標、人事評価など)に基づいて評価することです。

 

2 問題社員とは?

一方、問題社員とは、能力不足だけでなく、勤務態度、協調性、規律意識などに問題があり、企業秩序を乱す可能性のある従業員を指します。
ローパフォーマー社員も問題社員の一部と捉えることができますが、問題社員はより広範な概念です。

  • ローパフォーマー社員:営業成績が常に目標未達、納期遅延が多い、ミスが多いなど。
  • 問題社員:無断欠勤、遅刻が多い、ハラスメント行為を行う、業務指示に従わないなど。

 

3 ローパフォーマー社員の特徴

ローパフォーマー社員には、以下のような特徴が見られることがあります。

  • 能力不足:業務に必要な知識、スキル、経験が不足している。
  • 意欲の欠如:仕事に対するモチベーションが低い、指示待ちの姿勢。
  • コミュニケーション不足:報連相ができない、周囲との連携が取れない。
  • 自己認識のずれ:自分の能力や成果を過大評価している。
  • 責任感の欠如:自分の仕事に対する責任感が薄い。

 

4 ローパフォーマー社員が生まれる理由

ローパフォーマー社員が生まれる原因は様々ですが、以下のような要因が考えられます。

  • 採用ミスマッチ:企業の求める能力や適性と、従業員の能力・適性が合っていない。
  • 教育・指導不足:適切な研修やOJT(On-the-Job Training)が行われていない。
  • 評価制度の不備:評価基準が曖昧、フィードバックが不十分。
  • 職場環境の問題:ハラスメント、人間関係の悪化、過重労働など。
  • 従業員個人の問題:家庭の事情、健康問題、個人的な悩みなど。

 

5 ローパフォーマー社員を
放置するリスク

ローパフォーマー社員を放置すると、以下のようなリスクが生じます。

  • 生産性の低下:企業全体の業績に悪影響を及ぼします。
  • 周囲の士気低下:他の従業員のモチベーションが低下します。
  • 企業風土の悪化:問題社員を放置することで、企業全体の規律が緩みます。

以上のようなリスクを回避するため、ローパフォーマー社員に対しては会社として適切に対応していくことが求められます。

 

6 ローパフォーマー社員の解雇を
検討する前に企業が行うべきこと

ローパフォーマー社員に対して、いきなり解雇を検討するのは避けるべきです。
日本の労働法では、解雇は厳しく制限されており、安易に解雇を行うことは不当解雇と判断されるリスクがあります。
まずは、以下のステップを踏み、本人のパフォーマンスに改善の余地がないか、会社として解雇を回避するための努力を行うことが重要です。

1 問題点の明確化と本人へのフィードバック

  • 客観的なデータに基づき、問題点を具体的に特定し、本人に伝えます。
  • 改善目標と期限を設定し、書面で共有します。

2 指導・教育の実施

  • 本人の能力や適性に応じた指導・教育を行います。
  • 研修、OJT、メンター制度などを活用します。

3 配置転換の検討

  • 指導・教育でも改善が見られない場合、本人の適性に合った部署への配置転換を検討します。

4 改善状況のモニタリングと再評価

  • 定期的に面談を行い、改善状況を確認し、評価します。

 

7 ローパフォーマー社員を解雇する際の注意点

上記の手順を踏んでも改善が見られないような場合には、やむを得ず解雇を検討する必要があります。
この場合、以下の点に注意が必要です。

  • 解雇の正当な理由:「客観的に合理的な理由」と「社会通念上の相当性」が必要です(労働契約法16条)。
    能力不足を理由とする解雇は、特に慎重な判断が必要です。
  • 解雇予告:原則として30日前の予告か、30日分以上の解雇予告手当が必要です(労働基準法20条)。
  • 就業規則の確認:解雇に関する規定を確認し、手続きを遵守します。
  • 証拠の確保:解雇の正当性を裏付ける証拠(人事評価記録、指導記録、面談記録など)を収集・保管します。

 

8 まとめ

ローパフォーマー社員や問題社員への対応は、企業にとって重要な課題です。
法的リスクを回避しつつ、適切な対応を行うためには、弁護士などの専門家への相談も検討しながら、慎重に進めることが求められます。

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