コラム

相続・遺言に関するコラムでは、遺言書の作成や相続手続き、遺産分割、相続税対策、相続トラブルの予防など、 相続に関する幅広いテーマを分かりやすく解説しています。 大切な財産やご家族への想いを円滑につなぐために役立つ法律知識や実務上のポイントをご紹介します。

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2026.07.03

遺言書作成や遺言による相続対策は弁護士にご相談を

遺言書は、ご自身の財産を誰にどのように引き継ぐかを決める重要な法的文書です。
適切に作成されていれば、相続手続きを円滑に進められるだけでなく、相続人同士の紛争を防ぐ効果も期待できます。

一方で、方式に不備があると無効になったり、遺留分をめぐるトラブルが生じたりすることもあります。
本記事では、遺言書の種類や作成方法、相続手続きの流れ、遺言に関するトラブルへの対応、弁護士に相談するメリットについて詳しくご紹介します。

1 遺言とは

遺言とは、自分の死後における財産の行方や身分に関する事項について、生前に意思を表示しておく法律行為です。有効な遺言書が存在する場合、原則としてその内容に従って相続手続きが進められます。
遺言には大きく分けて自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3種類があります。このうち実務上よく使われるのは自筆証書遺言と公正証書遺言です。

自筆証書遺言は、遺言者が遺言書の全文・日付・氏名を自書し、押印することで作成できます(民法968条1項)。また、法改正により、財産目録についてはワープロ作成や銀行口座のコピー等の添付でも認められるようになり、作成の負担が軽減されています(同条2項)。
費用がかからず手軽に作成できる反面、方式の不備で無効になるリスクや、死後に発見されない・改ざんされるといったリスクがあります。

なお、法務局による自筆証書遺言書保管制度(2020年7月開始)を利用することで、紛失・改ざんのリスクを減らすことができます。公正証書遺言は、公証人が遺言者の意思を確認したうえで作成する遺言書です。証人2名の立会いが必要ですが、要式不備で無効になるリスクがなく、原本が公証役場に保管されるため安全性が高い方式です。

2 これから遺言書を作成・
見直したい方へ

「遺言書は高齢になってから考えるもの」と思われがちですが、遺言書は何歳からでも作成でき、また一度作成した後も何度でも書き直すことができます(後の遺言が前の遺言に優先します)。
特に以下のような方は、早めに遺言書の作成をご検討ください。

  • 子どものいないご夫婦

    法定相続では配偶者だけでなく兄弟姉妹にも相続権が発生するため、「全財産を配偶者に」という意思を実現するには遺言が不可欠です。

  • 再婚されている方・
    前婚のお子様がいる方

    複数の相続人間でトラブルが生じやすい構造になっています。

  • 特定の相続人に事業を承継させたい方

    自社株や事業用資産を特定の後継者に集中させるためには、遺言による手当てが有効です。

  • 内縁の配偶者や事実婚のパートナーに
    財産を渡したい方

    内縁のパートナーには法律上の相続権がないため、遺言なしでは財産を遺すことができません。

  • 相続人間の仲が良くない方・
    紛争を防ぎたい方

    遺言書があれば、遺産分割協議を経ずに相続手続きを進めることができます。

遺言書を作成する際には、遺留分(一定の相続人に保障された最低限の相続分)に配慮することが重要です。
たとえば、「全財産を長男に相続させる」という遺言を残しても、他の相続人が遺留分侵害額請求権を行使すれば、長男は金銭を支払わなければならなくなります。弁護士に相談することで、遺留分にも配慮した実効性のある遺言書を作成することができます。

3 遺言書がある場合の相続

有効な遺言書がある場合、相続は原則として遺言の内容に従って進められます。法定相続分(民法900条)とは異なる割合・内容の指定も可能であり、特定の財産を特定の人に「遺贈」することもできます。
遺言書がある場合の相続手続きの流れは次のとおりです。


自筆証書遺言の場合

自筆証書遺言の場合は、まず家庭裁判所で検認の手続きが必要です(法務局保管制度を利用した場合を除く)。検認は遺言書の偽造・変造を防止するための手続きであり、遺言の有効性を認定するものではありません。検認を経ずに遺言書を開封すると5万円以下の過料の対象となるため注意が必要です。


公正証書遺言の場合

公正証書遺言の場合は、検認不要でそのまま相続手続きを進めることができます。
遺言の内容が「○○に△△を相続させる」という形式(相続させる旨の遺言)であれば、登記・名義変更などの手続きを単独で行うことができます。一方、相続人以外への遺贈の場合は、遺言執行者の選任が実務上必要となる場面も多く、手続きが複雑になることがあります。

4 遺言書を発見し、
手続きを進めたい方へ

故人の遺言書を発見した場合、まず勝手に開封しないことが重要です。封がされた自筆証書遺言を開封するには家庭裁判所での検認が必要であり、無断開封は法律違反となります(民法1004条2項、民法1005条)。

また、遺言書の探し方としては、①自宅・金庫・貸金庫の確認、②法務局の遺言書保管情報の確認、③公正証書遺言の場合は公証役場での検索(全国の公証役場で照会可能)、という手順で確認することをお勧めします。

遺言書を発見してから相続手続きが完了するまでには、検認・相続登記・金融機関の名義変更・遺産分割協議(遺言で定められていない財産がある場合)など、複数の手続きが必要になります。手続きの種類・期限・必要書類が複雑であることから、弁護士に一括してご依頼いただくことで、スムーズに相続手続きを進めることができます。

5 遺言の内容に納得できない・
遺言を無効にしたい方へ

遺言書が存在していても、その内容や有効性に争いが生じることは少なくありません。
遺言が無効となる主な原因としては以下のものがあります。

  1. 方式の不備

    自筆証書遺言において、自書ではないワープロ書き(財産目録を除く)や日付の記載漏れ・押印のない遺言は無効となります。たとえば、「平成○年○月吉日」という日付記載は特定の日付を示していないとして無効とした判例があります。

  2. 遺言者の判断能力(遺言能力)の欠如

    遺言作成時に認知症等により意思能力がなかった場合は無効となります。実務上は、作成時期の医療記録・介護記録・医師の診断書等が重要な証拠となります。認知症が進行していた被相続人が作成した遺言について、公正証書遺言であっても無効とした裁判例も存在します。

  3. 遺留分の侵害

    遺言が有効であっても、遺留分を侵害する内容の場合、相続人は遺留分侵害額請求(民法1046条)を行使することができます。2019年の民法改正により、遺留分侵害は現物返還ではなく金銭請求として処理されることになりました。遺留分の割合は、法定相続分の2分の1(直系尊属のみが相続人の場合は3分の1)を掛け合わせたものです。
    遺言の有効性を争う訴訟(遺言無効確認訴訟)は、手続きが複雑かつ証拠収集が重要であるため、早期に弁護士へご相談いただくことをお勧めします。

6 相続における遺産分割を
弁護士に相談するメリット

遺言書の有無にかかわらず、相続手続きにおいて弁護士に相談することには多くのメリットがあります。

  1. 法的に有効な遺言書の作成

    方式の不備で遺言が無効にならないよう、法律のプロが内容を確認・整備します。遺留分にも配慮した内容にすることで、死後の紛争を防ぐことができます。

  2. 相続人・相続財産の調査

    戸籍収集による相続人の確定、不動産・金融資産・負債の調査など、複雑な調査を代行します。

  3. 遺産分割協議のサポート

    相続人間で意見が対立している場合でも、弁護士が交渉の窓口となることで、感情的対立を抑えながら法的に適切な解決を目指すことができます。

  4. 調停・訴訟への対応

    話し合いで解決できない場合は、家庭裁判所の遺産分割調停・審判・遺言無効確認訴訟など、法的手続きに移行します。弁護士であれば、こうした場面でも一貫してサポートすることができます。

  5. 相続放棄・限定承認のアドバイス

    被相続人に多額の借金があった場合など、相続放棄(申述期限:原則3か月)の要否についても適切にアドバイスします。

7 弁護士法人たいようが
選ばれる理由

弁護士法人たいようは、愛媛県松山市・大洲市に事務所を構え、地域の皆様の身近な法律問題に長年にわたって取り組んでまいりました。


地域密着・豊富な経験

愛媛県内の個人・中小企業の皆様を中心に、遺言・相続分野における数多くのご相談に対応してきた実績があります。


弁護士による直接対応

ご相談から解決まで、経験豊富な弁護士が責任を持って対応いたします。事務員による対応ではなく、法律の専門家が直接お話を伺いますので、安心してご相談いただけます。


企業法務から家事・相続まで幅広く対応

顧問業務・企業法務・M&Aから、遺言・相続・離婚など家事事件まで、幅広い分野を一つの事務所でカバーしています。相続に関連する事業承継や不動産・税務の問題についても、連携する専門家と協力しながら総合的にサポートします。


松山・大洲の2拠点で利便性も高く

松山事務所・大洲事務所の2拠点体制により、南予地域にお住まいの方にもご来所いただきやすい環境を整えています。

遺言書の作成・相続手続き・遺言の無効確認など、遺言・相続に関するお悩みは、弁護士法人たいようへお気軽にご相談ください。初回のご相談から丁寧にお話を伺い、皆様にとって最善の解決策をご提案いたします。

この記事の監修者

吉村 紀行NORIYUKI YOSHIMURA

愛媛において、四国において、
たいようが地方を元気にする存在となるよう輝かせたい。

法律の力で、魅力ある地方社会を創り出し、次世代に賑わいのある街をつなぎたい。

【経歴】
平成13年 京都大学法学部卒業
平成16年 弁護士登録(福岡県弁護士会)
平成18年 ひまわり基金法律事務所大洲開所
愛媛弁護士会所属

【専門分野】
事業再生、事業承継、倒産業務、債権回収、労働問題

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