

内部統制システムとは、企業目的((1)業務の有効性と効率性確保、(2)財務報告の正確性確保、(3)関連法規の遵守:コンプライアンス、(4)資産保全)を達成するために企業内に構築される経営管理の仕組み全般を意味します。簡単にいえば、会社が私利私欲のみに走って、株主や会社を取り巻く利害関係者に損害を与えることがないように、会社自らが業務の適正を確保するための体制を構築していくシステムをいいます。
内部統制の実現
内部統制システムを検討していますが、いたずらに社内ルールを複雑にするだけではないでしょうか。
また、問題が生じないのであれば、「形」だけ作っておけばよいのではないでしょうか?
形だけのシステムではなく、実際に効果的なものにするためには、以下の点が重要です。
リスクを減少させ、それにも係わらず発生するリスクを早期に把握してその拡大を防ぐための施策がとられているかどうかが、内部統制システム整備義務違反の有無を分ける基準となります。
重要なことは、リスクが発生しうるポイントを見極め、発生した場合に、いかにすれば早期に発見して、手を打つことができるか、事前に十分に協議して、制度を作り上げ、これを取締役はもちろん従業員にまで徹底して認知させて、「内部統制システムを機能させる」ことにあります。
企業の不祥事は、上司やトップが知り得ない内に進行し、発覚したときには収拾がつかない状態になっている場合や、さらには社員が上司に対してコンプライアンスに則った対応をしようと進言したのに、上司がこれを押さえ込み、発覚するまでに数ヶ月を要し、損害が急激に拡大してしまうような場合があり得ます。
しかし、こうした場合に待ち受けるのは、内部統制システム整備義務違反に基づく社長に対する損害賠償請求です。
かかる事態を回避していくためには、他の取締役や従業員が、何らかの不祥事の芽を発見し、あるいは、何らかの問題に直面した場合に、「一人で抱え込まず、他人と協議して解決できるような制度的体制」を構築することが何よりも重要です。
特に、内部通報制度を設け、その社外窓口に、弁護士を配置することは有用な手段です。なぜなら、弁護士であれば、守秘義務を盾にして、通報した取締役や従業員を守りつつ、社外監査役と連携するなどして、企業内の不祥事を萌芽の段階で防ぐことが可能となるからです。その結果、社長は、不祥事があったとしても、内部統制システム整備義務違反とは認められず、損害賠償義務を負う必要はなくなります。
現在は、まだまだ内部統制が法的制度になったから仕方なく対応しているという側面があります。 コンプライアンスマニュアルが配布されるにしても、形だけ配布するにすぎないこともままあります。
経営者自身が意識に変革を起こし、これまでの企業風土を変えないと、企業不祥事を減少させることはできません。
そのためには、経営者自身が本気になることが何よりも重要なのです。
例えば、全社員に向けて、「コンプライアンスを優先せよ。そのためには営業成績が下がっても、商談を失っても構わない。」ということを実際に周知徹底させることができるかどうかです。
企業が本気でコンプライアンスを実行しようとすれば、人事評価にまで踏み込んで実現しようという意識が大切であり、そのためにまず重要なことは、社長自身が意識改革を図ることが何よりも重要なのです。
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